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第二章「江原道」 カンウォンド




この時、韓国は3度目だが初めてソウル以外を訪れる。
ある程度予想はしていたが郊外に来るとやはり日本と同じ田舎の風景が広がっていた。
この第二章ではあまり観光客の訪れることのない江原道の魅力に迫りたいと思う。



左の写真はバスの中からの撮影です。何だか日本の東北地方を彷彿とさせる風景。
真ん中の写真は韓国版「道の駅」です。ユミョンフュゲソと書いてあり有名休憩所と訳せばよいのでしょうか?右の端にはモーテルとも書いてある。韓国では温泉マークは「宿泊所」を意味するので、日本の感覚で温泉と思って入ると恥ずかしい目に遭います(笑)
右の写真は私が乗っている高速バスです。車体にトンヘコソクと書いてあり、これは東海高速となるので会社名でしょうか?




そして江陵に到着。ここは江原道で一番大きな都市であり、比較的北朝鮮に近いこともあり軍事的にも重要な都市です。
御覧のような巨大なマンションが韓国にはたくさん乱立しているが、これは韓国は日本と違って地震がほとんどない所から来るものである。さらには国土が日本の3分の1程しかないので狭いということも理由の一つだろう。
日本の人口は1億2千万人ほどだが韓国はもう少しで6千万人になろうとしている。国土は日本の3分の1だが人口は日本の半分だ。
人口密度が高いところからもこのような高層マンションの乱立は納得できる。それだけではなく、韓国の人は富裕層ですら一戸建てを持つことはあまりない(都市部に関しては)


宿について
この旅に関しては目的地は決めていたものの宿等は一切決めておらず、行く先々で寝床を調達しなければならない。
ソウルではサウナに泊まったがここでは江陵のバスターミナルに降り立った瞬間、30代半ばくらいのおばちゃんが超早口の韓国語で話しかけてきた。一目見て我々を異国からの旅人だと理解したのだろう。どうやら宿の営業のようだ。
あまりの早口なので私などは言っていることの殆どが分からなかったが、相棒のGAJIRO氏は私よりもはるかに韓国語の理解力があり、実質この旅での通訳係としてとても頼りになる人間だった。かなり個性的な男でありそれが、また旅にスパイスを添えてくれるのであった。

そしてこのおばちゃんに言われるがままに宿が決定。値段もかなり安かったように記憶している。
そしておばちゃんの車に乗ると信じられないスピードとアグレッシブな運転で宿まで運転してくれた、途中何箇所か信号無視していたように思えるがお国柄なのだろうか、「別にいつも通り」という感じだった。

海にほど近い宿は、思ったより上等なもので余計な心配をしていたようだ。
ちなみにここに泊まっていた学生の男女グループと仲良くなり、何枚か写真を撮ったが勝手に掲載していいものかどうか今となっては分からない為やめておく。




翌朝の朝飯である。朝から激辛料理とマッコリ。こんな食事が3週間も続いたため、日本に帰ってから今に至るまで何でも辛くして食べるという癖が出来てしまった。
私をよく知る人ならご存知かもしれないが「吉野家」に行くと七味唐辛子を3分の1本使います。



そんな辛い物を食べた後は普通に喉が渇く。近くにあった自動販売機で何か飲み物を買おうとしたが、こうゆうジュースの自販機は万国共通のようである。
日本と韓国の違いと言うと、上記の写真のようなタイプが殆どを占めるということ。
日本では紙コップタイプはサービスエリアなどでよく見られるが、日本全体の10%くらいではないだろうか。
しかし韓国では紙コップタイプの自動販売機が主流であり、値段も300ウォン〜500ウォン(つまり30円〜50円)
値段も安いので旅の最中は頻繁に自動販売機を利用した。缶・瓶・ペットボトルを使わないためある意味環境に優しいと思う。日本の自動販売機は500mlとか量が多すぎる!半分でいいから半額にしてほしい!




鏡浦台(キョンポデ)

江陵の市街地から北に6キロほど進んだところにあるこのキョンポデは、昔の偉人が湖に移る月を見て過ごしただとかという伝説がある。確かに高台にあってそこから見下ろす景色はなかなかのものですが、現在はひっそりとしており静かな散策路といった感じです。
ただ、右の写真にあるようにお土産屋さんがならんでいる部分は妙に活気があった。というか凄い声をかけられて怖かった。
恐るべし、韓国アジュンマ。



鏡浦海水浴場(キョンポデ海水浴場)

先ほどのキョンポデから1キロくらい歩いたところにある6キロも続く砂浜。ここは韓国で有数な海水浴場ですが、この時は2月だったので全く人の姿を見なかった。ちなみにこの海は日本海(東海)です。


また食事の写真となりますが左の写真はうどんです。韓国語でも「ウドン」と言います。
右の写真の料理は「スンデ」といい、紫色のしらたきのようなものが豚の腸に入っているもので、こればかりは気持ち悪くて食べられませんでした。




雪岳山(ソラクサン)


ここは江陵(カンヌン)からさらに北朝鮮寄りにある束草(ソクチョ)という都市にある韓国第二の標高を誇る山です。
ソラクサンウルサンバウイとも呼ばれ、岩山という別称としても知られてます。
上の写真は登山口で撮影したものですが、日本で言う霊山や四国の札所のような雰囲気でした。
真ん中の写真に私が写ってますがものすごい防寒対策をしているのが見て取れると思う。そう、ここは標高が高いので平地よりもかなり寒い。軽くマイナス10度を下回っています。



その寒さが伝わるであろう写真がこの3点。
流れる川が凍りつくというのは相当な寒さである必要がある。日本でもよく青木湖や山中湖が凍っているのを見るが、流れている川が凍るのはあまり見られないと思う(でも華厳の滝は凍る)
韓国は日本と違い大陸性の気候のため、湿気があまりないためそれほど雪は降りませんが寒さは本物です。

ウルサンバウイ(岩山)


本当にその名の通り岩山です。日本の森林や草原の山頂ではなく丸裸の岩の山頂です。
そして右の写真にあるように登山道もこれまた凄い。ここは高所恐怖症の方には絶対お勧めしません。



この左の岩なんかは日本でも見かけない岩山だと思います。日本でも槍ヶ岳とか宝剣岳は山頂が尖ってますがこんなふうに一枚岩で尖っているのは初めてみました。


階段に踊り場などはなく、ただひたすらに山頂へ向かってます。途中で転んだら止まらずに下まで落下しそうです。
写真ではあまり伝わらないかもしれませんが、途中で後ろを振り返ると相当怖い体験が出来ます。
階段がやたら急なのも怖さを増す要素だと思う。



振り返って撮影した写真がこれ。写真に写るアジョッシー(おじさん)なんかはしがみついて登っていた。



そしてついに山頂へと辿り着いた。標高は2000メートルもないがかなり骨の折れる行軍だった。




海からそれほど離れてないので日本海(東海)がよく見えました。
韓国だと高いところから写真を撮ったりすると国防上の理由で警察に怒られたりしますが、山には警察はいませんので遠慮なく撮影。
これらの写真は山頂から東を向いて撮影しているものであり、海の向こうには方角的には東北地方もしくは北海道がある。
山頂から北へカメラを向けるとそこはもう北朝鮮。板門店などもそうですが結構色々なところから肉眼で北朝鮮を見ることが出来ます。



最後に・・・





これは束草からウルルン島に行くフェリー乗り場になります。ウルルン島は日本海に浮かぶ小島で観光地となっている。
そのウルルン島からほど近い竹島(独島)はもう説明の必要がないほど話題になってしまっている、「あの島」である。
最近はこの束草からも竹島(独島)観光フェリーが出ているという。


江原道に関してはこのへんにしておこうと思います。
ソウル以外の韓国編に関して書くのは初めてで、どこまで政治的イデオロギーに触れる記事を書いてしまっていいものかの判断に迷う。
ただの実録旅行サイトであるこのホームページで問題になるような記事は避けたいところですが、「実録」を謳う以上、実際に自分が見たもの聞いたものの真実を公開していく方針で行きたいと思う。
私の個人的な観点で行くと、私が今まで出会った韓国人は皆やさしく、人情に厚く、日本人だからと暴行を受けたり非難されたりといったことは「ほとんど」ありません。
日韓友好の輪を広げていきたいと願いつつ、この記事を書いていることを強調しておきたい。



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