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開聞岳


開聞岳かいもんだけ 南薩の秀麗な独立峰
標高:924メートル  所在地:鹿児島県指宿市  登山適期:通年OK  日帰り可 最寄駅:開聞駅 登山レベル:6


日本本土最南端にある百名山で、近くにJR最南端の西大山駅もある。

九州には九重連山や阿蘇五岳といった人気の山が多く、多くの場合はいくつかの山頂を通って目的の山に登頂することが多いと思う。(久住山の沓掛山、阿蘇山の中岳など)

しかし、この開聞岳は完全なる独立峰であり、南西部分は海に突き出しており北東部分は陸地につながっている。


円錐形の山なのでどの角度から見ても写真のような形に見える。

この写真からは伝わりずらいが、実際にここから開聞岳を見ると「壁」のように感じた。


登山口にあった看板をそのままアップで掲載させていただいたが、平均タイムが上り3時間、下り2時間半で休憩などを含めると往復6時間は見ておいたほうがいい。

にもかかわらず、道中トイレがないので、6時間トイレに行けないことになります。

男の場合はなんとでもなるが、しっかりと済ませておかないと、登山者も多く一本道であることから大変なことになりそうだ・・・

駐車場に車を停めた後500メートルくらい歩いてようやく登山口に着くが、ここがすでに2合目となっている。だいたい標高200メートルくらいになります。

開聞岳は標高924メートルと、日本百名山の中では2番目に標高が低い
(一番低いのは筑波山で877メートル)
ただし、他の山と比べて海のすぐ近くにあるためかなり低い標高からのスタートとなり、私も標高差724メートルを2時間で登ったのでヘトヘトになった。
単純な標高の高さではなく、標高差と時間が疲労に直結するということを改めて実感する。

開聞岳は全て一本道であり、進むにつれて様々な顔を見せてくれる。

序盤は左右をシダが繁る樹林帯を進むことになるが路盤が砂礫のため踏ん張りがきかず滑りやすい場面もあった。

5合目を過ぎる頃から砂礫から安山岩地帯に代わり、体を持ち上げて登る場面も多くなる。7合目を過ぎたあたりから巨岩ブロック地帯となり、アスレチカルな動きを要求されるシーンが出てくるため、慎重な足運びが要求される。



上部に行けば行くほど危険な場面も多くなり、緊張感が走る。この日は時々雨も降っていたため岩も濡れておりグリップが効かないことも恐怖に拍車をかける。

標高が低いからといって気軽に初心者が登るとノックアウトされるかもしれない。


あと、登山ステッキがあると少し楽になると思う。重力の分散や下山時の基本である3点支持が容易になることが主な利点となるが、手を岩にかけるシーンなどではかえって邪魔になる。ステッキは1本だけ持っていくことをお勧めしたい。


頂上付近は巨岩の露頭が多くなり、それに比例するように植生も薄くなってくる。

そうなるとご覧のような絶景が拝めるが、この日は曇り時々雨・・・・

晴れていれば遠く桜島や屋久島も見えるらしいが残念。

上の左の斜視は東側で、細長い長崎鼻や錦江湾(鹿児島湾)、奥には大隅半島が見える。

右の写真は西側を撮影したもので枕崎方面。


B

そして山頂から北側を撮影した写真です。
池田湖がよく見えますが曇っていてクッキリした写真が撮れなかったのが悔やまれる。
でも山頂に立った時の達成感は相当なものがあり、事前に「結構キツイ山」と聞いていただけに制覇の悦びは他に代え難いものがある。

頂上の標柱の傍には「皇太子殿下登山御立所」の石板があった。本当に人気のある山なんだなと思った。登山を趣味としてから20年くらいになるが、山頂に偉人の登頂を遺したものがよくある。
山頂に立つと例によって遮蔽物が何もないため常に強風が吹きつけてきます。
大量に汗を掻いていたが、立ち止まることで風に冷やされて「寒い」を通り越して「冷たい」
それまでは暑かったので半袖になって登ってましたが、寒さに耐えきれなくなりフリースを着た。あまり長居もできなかったので早々に山頂を後にしました。

帰りは全く同じ道を戻るので、危険な箇所が分かっており、難なく下山できた。
それでも左足はかなり疲労がたまっており、うまく言葉で言い表せないがこれ以上はマズイことになるかも・・・・というレベルの直前まで来ていたと思う。

以上で開聞岳の登山レポは終了です。
最後に私のお気に入りの一枚を!



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